沈黙の艦隊(9)
世界最強の戦闘国家である「やまと」は、世界に身の振り方の熟考を迫っていた。
「やまと」との同盟を決意した日本政府は、国連安保理事会において同盟案の承認をえるべく、各国大使の説得を続ける。
一方、通常兵器を使い果たし「核」のみを搭載する「やまと」は、日本からの大使を受け入れ、日本政府の要請に応じ大島沖に浮上。
米原潜部隊が待ち伏せる東京湾に近づきつつあった。
「やまと」艦長、そして独立戦闘国家元首・海江田は単身東京に上陸。
ついに日本政府と「やまと」は友好条約を締結させた。
その直後、竹上総理は自衛隊と「やまと」の指揮権を、期限付きながら国連に委ねたいと発表する。
一方、日本政府が「やまと」の補給・点検のため派遣した自走浮きドック「サザンクロス」は、米軍の制止を振り切り、東京湾へ入港、懸命に「やまと」との接触を試みる。
「やまと」と同盟を結んだ事によって日本の政局も大きく動こうとしていた。
補給・点検のため移動浮きドック「サザンクロス」に入渠した「やまと」へ向け、東京湾へ侵入した米原潜は攻撃を開始。
これに対し、「サザンクロス」護衛の任務についた海上自衛隊潜水艦「たつなみ」は必死の防戦を試みる。
だが、被弾・浸水した「サザンクロス」は、「やまと」を収容したまま東京湾海底へ沈降していった。
深町艦長操艦「たつなみ」の捨て身の援護を受け、東京湾の危機を脱出した「やまと」は北極海へ向かった。
一方、日本では、「やまと」との同盟を独断した竹上総理の責任を焦点に、臨時国会が召集される。
その壇上、竹上総理は「やまと」支持を掲げる新党の結成を表明。
国会を解散し、国民の意思を問う総選挙へと踏み切った。
竹上発言の是非をめぐり、党派入り乱れての激論は続いた。
米大統領ベネットは、北極海へ進入した「やまと」に対し、その撃沈作戦「オペレーション・オーロラ」を発動した。
北極海に展開する戦略原潜の引き揚げを敢行し、米海軍の切り札、最新鋭攻撃型原潜「シーウルフ」を北極海に派遣する作戦だった。
「やまと」は原潜一隻にして、世界の軍事バランスを根底から揺るがすことを見せつけた。
そして、冠氷下1000mを舞台に原潜対原潜の死闘が始まった。
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